とある夏の休日に、湯浅町にある湯浅温泉「国民宿舎湯浅城」に行った帰りの事です。JR紀勢本線の湯浅駅に着いたのですが、あいにく列車は出発したばかりで、次の列車まで40分程待たなければいけません。ビールを飲んで時間をつぶすそうかと思ったのですが、身体はまだまだ元気。では銭湯でも探してみようと、電話ボックスに入り探し出したのが栄湯さんです。住所から見て近そうで、さっそくタクシーの運転手さんに場所を確認します。駅からは駅前の道を白浜方面に100mほど進み、路地を右に曲がったあたりで、歩いて5分以内です。 写真をご覧ください。煉瓦を積み上げた塀は、赤茶色の良い色を出しています。シンプルな屋根は少々波を打っていますが、子供の頃に住んでた長屋の屋根を思い出させます。昔、歯が抜けると屋根に放り上げましたね。前栽からは木々が頭を出していて、屋根まで届こうとしています。今こうして外観を眺めてると、なんとなく南国風の開放的な雰囲気を感じさせてくれます。煉瓦のアーチをくぐると左手に簡易トイレが置いてあります。建物の入口にかかる暖簾をくぐり番台で湯銭を支払います。250円安い〜、なんと昭和58年から変わってないようです。20年近くもタイムスリップです。板間の脱衣所には木製の脱衣箱が壁に組み込まれています。脱衣箱にはそれぞれ、「らん」、「きく」、「もも」、「つばき」等の植物の名前が書かれています。味がありますね〜。浴室は主湯(深、浅)のみのシンプル設計で、おじいさんが一人入浴中でした。老人は、真っ黒に日焼けし、鋼のような身体をしていらっしゃいました。浴室は床や浴槽そして壁の低い部分がタイル張りでです。一部のタイルは割れて、壁の上部のペンキも剥げている箇所が見られますが、それはそれで味を出しています。 紀州路の小さな街で出合った銭湯は、南国風の素朴な雰囲気を感じさせられるお風呂屋さんでした。 2002年7月
|